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一刀斎夢録 :: 2013/10/28(Mon)

浅田次郎「一刀斎夢録」上下巻 文春文庫

上下巻で900P近い大作です。書き下ろし作品ではなく、週刊誌に連載していたものの単行本化。これだけ長いものを、文庫化に当たって直しはしたでしょうが、構想練って書き続けて破たんのないよう仕上げるのって凄いな……。

ハードカバーで出しても相当数売れるのが確実なこのタイトルを敢えて文庫で出したのは、ここで「浅田さんの幕末もの良いな」と引き付けて、続く「黒書院の六兵衛」ハードカバー上下巻、で出費させる為だな、と思ったんですが出版社が違いますね……。
お財布的には文庫で出てくれて有難う有難う!ですが、なんか不思議。

「夢録」で分かる人には分かる、「夢録」で「アレ?」と思った人が改めてタイトル見ると「一」の字が……、勿論期待を裏切らないあの人の本です。

「壬生義士伝」は皆さん当然読んでますね?って感じで作中に壬生義士伝のあの人のエピソードが盛り込まれて来ます。でも「壬生義士伝」のように「実は反目しあってるように思ってたが違うのだ……!」的ツンデレエピソードは語られてません。

「新撰組三部作」と銘打たれています。三部作としたのは勿論先達子母澤寛へのオマージュでしょう。

「輪違屋糸里」では、糸里が自分に惚れているのを幸いと良いように動かしているようにも見えて実は自分も糸里に惚れていて、色々悪どく策略したのも理由あっての事で、散々ヒドイ事した挙句こんな京での侍ごっこは降りて田舎で幸せに暮らそうぜ……!と糸里に言ったもののこっぴどく振られた土方が、糸里の言葉を糧にすっげえ恰好良くなっていたりとか……!
*作中では糸里云々は書かれてませんが、3部作と言われるとどうしても前作との繋がりを考えてしまいます。

鉄之助……!
死ぬのは分かってたんです。でも鉄之助と斎藤の命の遣り取りのシーンを読んだ後は
「鉄之助が死んじゃったよう」
と物凄い勢いで落ち込みました。
いや凄く良かった……。
鉄之助の為己の命を捨てようと思った斎藤の、そんな心意気を察して逆に自分が斎藤に斬られる事で斎藤に人間らしい心を与えようと、頼るべき親とも言うべき存在を、ひよこのようにくっついて歩いて行けるべき親を常に探していた鉄之助が、自分が与える側に回ろうと……。
斎藤自身は自分がそんなに鉄之助に何をしてやったとかは思ってなくて。
斎藤と言う人物の欠落が鉄之助の死に依って埋まり、そして後一晩中でも語り明かす饒舌な藤田五郎になった、とも捉えられる。

鉄之助は、多分現代に生きていたとしても返事はハキハキとして利発で、気が利いて、誰がどう見ても「ええ子や……」みたいな子だったんだろうなあ、と思います。


一刀斎こと斎藤一氏の、浅田氏バージョンの喋り口調「~じゃ!」は見る度すっげーテンション下がります。
斎藤好きな私でさえこうですから、斎藤好きじゃない人だとページ捲った時点で読むのを放棄したくなるかも知れません。
というのだけは特筆しておきます。
  1. | comment:4
<<西郷さんwithスカイツリー | top | 読めぬ>>


comment

浅田次郎を読みあさっていた時期でも、歴史物に苦手意識がそうとうあるため、この類だけは抜かしました…。あーでももうちょい、フィクションな感じのは読みましたが…。(千切松)。話に加われず残念です。
  1. 2013/10/29(Tue) 21:51:51 |
  2. URL |
  3. ひ #-
  4. [ 編集 ]

ひさん>
私は逆に100%浅田氏の創作ものとか、現代ものの方が苦手なんですよ~。あざと過ぎて大筋聞くだけで腹立つと言うか……。
それで逆に「100%浅田さんの創作ではない」と言うシチュエーションの方が安心します。実際は時代ものでも97%くらい浅田さんの創作ですよ!!
  1. 2013/10/29(Tue) 23:34:17 |
  2. URL |
  3. ローゼンカバリー #z.Jczy7U
  4. [ 編集 ]

あざとい(笑)。たしかに。読んでると、私浅田さん好きなわけじゃないなあ…と思いながら読んでました。今は食腐気味で避けてます。あ、でも『蒼穹の昴』(皇太后とかあの辺りを踏まえている)が一番好きなので、実は私も「100%浅田さんの創作ではない」方が好きなのかもですね、これも。じゃあ、読めば好きかも知んないですね。
  1. 2013/11/01(Fri) 07:44:42 |
  2. URL |
  3. ひ #-
  4. [ 編集 ]

ひさん>
これ、時代小説を普段読まない人が読むと全く分からないと思います。時代背景とか、敢えて手取り足取り詳細に書いてないんだと思いますが(分かんない事があったら自分で勉強せいよ、という浅田さんの親心だと思われます)。
あーでも、教えられた事が全てではない教科書的史実が本当の歴史かどうか自分で考えろ、というテーマも隠れてるので、この辺りの歴史に興味のなかった人がまっさらな状態で読んでどう思うか、というのも浅田さん的にはテーマに含んでいる気もします。
  1. 2013/11/01(Fri) 22:06:07 |
  2. URL |
  3. ローゼンカバリー #z.Jczy7U
  4. [ 編集 ]

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