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太陽の塔 :: 2013/11/10(Sun)

森見登美彦「太陽の塔」新潮文庫
主人公はいつものモリミー作品同様京大生。
ファンタジーノベル大賞受賞作。
と言うのに疑問を抱かず普通に読んでいると途中で「3次元ではあり得ない」描写が次々と展開されるのですが、だってファンタジーだから。
と言うのに初読の時は気付かなくて混乱した。今は大丈夫です。

主人公もヒロインも、主人公の友人達も全て京大生な、エリートファンタジー。
京大に進学する前の偏差値低い高校の同級生とかは絶体登場しないモリミーワールド。
京大生の中でだけ人間関係が構築され、その狭い人間関係を狭い人間関係と認識もせずその人間関係が世界の全てであるかのように思い悩み、過剰な自意識で懊悩するそんな世界。
若い頃読むと主人公達の過剰な自意識が痛くて、主題から目を逸らして「現実とファンタジーワールドへの移行の曖昧が実に曖昧である。真にファンタジーを求めている読者に対して実に不誠実であるぷんぷん」と文句を垂れる事でモリミー氏の世界に取り込まれていない自分を確認して安堵する、そんな感じで面と向かえなかったくらいな手強い作品。
そして京大に通う位な自意識過剰な人達が、恋愛と言う条件を得てさらに自意識過剰になったらどうなるか、という赤裸々な告白とも取れない事もない。

クリスマスに彼女に招き猫を送る主人公、相手の趣味が合えばそれはそれで素敵なプレゼントなんだと思いますが、ヒロインは断固として拒否します。
どっちもどっちです。
クリスマスらしき女子の好むロマンティックなプレゼントではなく、自分が見て「これは良い!」と思ったものをクリプレにする主人公。
「ロマンティックな物が欲しかった」と思いつつ、毒舌は吐けてもそういう可愛い台詞は言えない主人公の元カノ。
そもそもそのクリプレ渡す場には何故か主人公の友人がいた、それも彼女のたっての願いの為に。
でも考えてみれば
「クリスマスに先輩のお友だちも一緒に来てください」
を真に受ける主人公も、主人公の友人もどうかと思うし、社交辞令(先輩の人間関係を尊重しています)にしてもそんなこと言う彼女もどうかしてるだろう。

そんな感じに皆色々……若くて青くて本音と建前が上手く言えてなくて、受ける相手も本音と建前の区別が付かなくて本気で受け止め本気で失敗し本気で泣き喚き、と思いきや「こんな人生の失敗など全て想定内である。と言うか失敗ですらないね」くらいに強がってて痛々しい。

そしてそんなありがちな失敗を「ありがちな出来事である」とスルーしないで呻吟苦悩する主人公達を真正面から描くものだから、読んでるこちらもすげー痛い。

ああすれば良かったこうすれば良かったの甘酸っぱい青春ファンタジーノベル。

然しこれ若い頃読むと痛すぎて本当、正面から向かい合えないです……。
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