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屍者の帝国 :: 2013/11/24(Sun)

伊藤計劃×円城塔「屍者の帝国」河出書房
一年以上前、発売日に買ったのを漸く読み終わった……長かった。
冒頭40Pだけ書いて死去した伊藤計劃氏の作品を、円城塔氏が引き継いで書き上げた一作。
所々上手い事伊藤計劃テイストになってたり、「伊藤計劃だったらこうは書かないんじゃないかなあ」みたいな箇所もあったり。

フランケンシュタイナー技術により、死者が「屍者」として蘇り労働力とされている19世紀辺りの話。

超豪華登場メンバーにわくわくしながら読み進む感じ。
ワトソンとか、「きみ(ワトソン)を弟に会わせたいよ」と言う「M」氏とか(勿論このM氏の弟はベーカー街のあの人)、ヴァン・ヘルシング教授とか、カラマーゾフの兄弟とか。書記担当フライデーのコードナンバーが007なのは勿論そういう意味だろうし。
でもアイリーン・アドラーはやり過ぎだったと思う。
とにかく、ジョン・ワトソンと言えば当然あの人で、ワトソンに接触する「M」と言ったら「あの人ですね!」とピンと来るくらいは最低限の基礎知識として持ってるのを前提に小ネタが……!!面白い!!!


途中でとあるウイルスの話が出て来て、無理矢理感溢れる超展開に「ぽかーん」となるんですが、実は伊藤氏の初期作品「虐殺器官」を匂わせるネタが仕込まれてたりとか、最後まで飽きさせずに引っ張ってた。

でもあくまで円城塔テイストの展開。伊藤計劃100%だったらどんな感じだったのかなあ。
「虐殺器官」に多少リンクしたからあの展開で良いだろう、と言われたら「いや、それは」と言い淀む感じ。
矢張り作風の違いが大きい。
円城塔氏のSF作品読んで耐性付けてからでないとちょっと読みにくい。

伊藤計劃のSFは、SF畑の人が「SF畑の人だけ楽しめば良いよ!」と書いたみたいな狭い楽しさを求めてなくて、「SFってとっつきにくいんでしょ?」と思ってた人に「SFってこんなに面白いんだ!」って開眼させるくらいに、「クレバーな人が一般の人に理系理論を説明すると、一般の人も理系理論にすうっと入り込める」例のように、誘導が上手い。
SF苦手な人でも「SFもっと読んでみようかな」と思わせるような。

円城塔氏の作品は、「SFファンがSFファンの為に書いた、SFファンにしか評価されたくないしSFファンじゃない奴らには読んでもらわなくて良いと思ってるしSFファンじゃない奴らが理解しようとするのさえ拒む」くらいな……。


矢張り天才は夭逝するものなのか……。
  1. | comment:0
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